山の散歩道に生えている、
キッコウハグマ(亀甲白熊、学名:Ainsliaea apiculata、キク科モミジハグマ属、多年草)が、花盛りを迎えました…。常緑なので、去年の秋から、葉だけは見ていたのですが、花を見るのは初めて…。
「北海道南部、本州、四国、九州に分布し、低山から山地の森林内のやや乾いた木陰に生育する」(wiki)そうですが、近所では、かなり暗いところや、水に浸るようなところ、崩れた斜面など、過酷?そうなところでも見かけ、小柄な体で山で生き抜くべく、いろいろ工夫しているみたい…。
花径1cmほどで、気を付けてないと見逃しそうな白い小さな花です。

1つの花に見えるものに近づくと、実は3つの花の集まり…。5裂した花弁を持つ花が、3つの手のひらを手首のところでくっつけたような形で並んでいます…。花弁の先のねじれが、規則的に並んで見えるところが、何となく中華どんぶりの模様みたい?で、いい感じ…。

ある1株を見てみます。下に、ロゼットのような葉のまとまりがあり、そこから20cmほど茎を伸ばしていますが、上のほうについている蕾のようなとんがりは、蕾ではなく、閉鎖花…。

こちらは開放花だけの株…。ほんの5cmくらいの高さしかありません…。

キッコウハグマは、どういう加減によるのか、わかりませんが、ふつうの花だけ咲かせていたり、開放花と閉鎖花をつけていたり、閉鎖花だけだったりします…。環境がよくないところだと閉鎖花ばかりのことも多いらしいです…。確かに、別の閉鎖花だけの群生があるところは、花の咲いているところより暗いし、水辺とかでは、閉鎖花だった気がします…。
ここに咲いているキッコウハグマは、20cmくらいの高さですが、花は10cmくらいのところに咲いているものが多く、上のほうは、ほとんどが閉鎖花…。…
これは、どういう環境でしょう…?w 閉鎖花は環境が悪いとき、と単純に考えると、別のところに飛んでいきたい…という気持ちで上に付いているのかな…。そういえば、閉鎖花だけの株も、けっこう背が高かったりします…。
キッコウハグマはずいぶん早くから蕾を付けていて、それが開放花なのか閉鎖花なのかは、わからなかった(というか、閉鎖花がある、というのを知らなかったw)のですが、今の時期に見ると、この画像の花の先端のほうの長い蕾みたいなのは閉鎖花、花の下の先が白くなっているのが蕾、だということがわかります。閉鎖花は、とんがっていて、細長いです。

いろいろと種を飛ばしているキッコウハグマですが、地下茎でも増えているように見えます。これは私が1株引っこ抜いているわけではなく、この株は浮かんでるわけで…ランナーみたいに株ができているということ…。土がえぐれているような斜面では、上の株が地面についているけど、それにつながったプラプラのキッコウハグマも、よくいます…。
こんなふうに、強靭そうなところは、やっぱり山の日陰気味のところで暮らしているショウジョウバカマを彷彿とさせます…。
こちらは、キッコウハグマの葉…。1cm~3cmくらいの小さな葉で、いろんな形がありますが、どうでしょう、亀甲に見えるでしょうか。ちょっとアイビーみたいな感じの、きれいな葉です。

最後にしつこく…。
以上、閉鎖花だけのことも多く、開放花を見ることが少ないらしい花が、たくさん咲いているのですが、本物の可憐な雰囲気をうまく伝えるには、写真が下手で申し訳ございません…でした…。関連記事:
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